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冷媒について

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最近色々と悩まされているので、情報をまとめる

 最近販売されているエアコンはR32という冷媒が使用されており、これは地球温暖化係数GWPが低い(675)代わりに、微燃性があり、燃えるとフッ化水素を生じる可能性がある。というわけで置き換えできませんよというお話をいただいた。そこそこ珍しいケースだとは思うが、今後は確実に気を付けていく必要がある部分と思う。フッ化水素と言えば泣く子も黙る毒物で、半導体ウエハのエッチングに使われるイメージの強いものだが、ここで名前を聞くことになろうとは。
 そもそも、R410A(GWP2090)の代替がR32なわけだが、R410AはR125とR32の混合であり、これが使われていた時はR32単独では危険だからR125を混ぜていたというところが強いように思う。それをキガリ規制があり、GWP1500以下にしていきましょうというわけでR32単独で使うようになったようだ。
 家庭用エアコンも同様のため、設置場所には十分気を付けて設置する必要がある。

R404Aの代替R448A

 R410Aの採用で文句を言われていたところ、設備導入でR404Aという冷媒の設備を検討することになった。R404AのGWPは3920とR410Aのおよそ倍である。設備なら何でもありなんか?と思っているが、一部R448A(GWP=1273)で代替を行っているメーカーもあるようだ。
 ただ、このR448Aは5種類の混合冷媒のため、いくつかの弱点がある。ここまでする必要あるのか。と思ってしまう。

上までの話は何だったのかというレベルのR23

 R32と紛らわしいが、別の設備でR23という冷媒を使用している設備の検討を行っていた。表向きは低GWP採用ですと謡っておきながら、2種の冷媒を使っていてもう片方がR23を使用しているというわかりにくいカタログだった。不自然に思うが、意図は明らかで、GWPは驚異の14800である。R410AやR404Aで悩んでいたのは何だったのか。ただ、その冷媒性能はほぼ唯一の物であり、低い温度で冷凍するための冷媒としては一択の状況のため、代替はそうそう出そうにない。出てるような発表もあるが、私が必要としている設備の製品として現状存在していそうにない。何か不都合があったのだろう。

キガリ規制というやつ

 先進国、発展途上国A、発展途上国Bに分けて①オゾン層を破壊する冷媒(CFC)の全廃②温室効果ガスの段階的削減を進めるという話。日本は先進国に属し、①は現時点で全廃となっている(現行設備への補充用冷媒の生産は一応可能だが、無いに等しい)②は2024年に40%削減、2036年に85%削減である。
 これ系すべてに謎だが、大抵発展途上国を何とかしないことにはいくら削減しても無駄であり、発展途上国②は2046年時点でも30%削減に過ぎない。インドが属しているが、インドで生産すりゃいいという話であり、現在の某国が発展途上国扱いで二酸化炭素出しまくりと変わらないものである。

 愚痴はこのくらいにして、適切にこの規制を守るのであれば、R32のような純粋なガスは手に入りやすいが、混合ガスはどれか一つが供給されなくなれば終わりの為、安定して手に入るかわからない。GWP低めの設備を導入しておくに越したことはないが、その際に、その冷媒の安全性や性能、供給安定性については十分考慮する必要がある。それどころか安全性が未知数だったり十分妥当な評価されていない状態で世に出ている可能性すらある。結局、実績のある過去の冷媒の方が圧倒的に無難である。ただ、あまりにGWPが高い冷媒は突如禁止となってもおかしくはないが、生産されて稼働している現行設備が使えなくなることは考えにくく、何年か使用していて、冷媒ガスが設備から抜けた際に補充する分が手に入らなくなる可能性はあるが、CFCすら一応補充する分は生産できることになっている。また、性能が悪すぎて消費電力量が余計にかかり、長年稼働させていたらその余分な電気を作るために発生したCO2がGWP分を上回るギャグもありうる(というか私が導入した設備の一つは計算上そうなる)
 導入予定の設備の低GWP化が異様なまでに進んでいないのはその辺りが関係していると考えられる。ただ、2029年ともなると70%削減目標であり、このころには代替製品も出てくるのではないかと思うが、低GWPで同等性能を安全にデメリットなく出すことは難しい。設備導入側の立場で言えば、それまでに規制される以外デメリットなく安定動作する旧型冷媒の設備で更新を実施しておくのが明らかに手堅い。
 というわけでGWP極振りの新冷媒製品でなく、安定動作の旧型冷媒品を導入しようという結論に至った。もちろんさすがにオゾン破壊係数は0の製品ね。

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